清姫の話。【紀州の悲愛】安珍清姫伝説とは?

安珍うちわを持った清姫清姫の話
この記事は約3分で読めます。

澄姫です。

今回は「そもそも安珍清姫伝説とはなんなのか?」というお話を致しましょう。

どこに伝わるお話なのか?

安珍清姫伝説は紀州、今で言う和歌山県に伝わる伝説です。

和歌山県メインの地図

今からおおよそ千年前のお話とされており、一番古い文献、即ち清姫伝説の話が載っている一番古い本は1040年~1044年に成立したとされています。平安時代ですね。
あの有名な『今昔物語集』にも載っている伝説だったり。

和歌山県は紀伊半島の先端部分、大阪府や奈良県の下に位置しています。
有田ミカンや南高梅などの名産品に加え、世界遺産となった熊野古道や高野山で有名ですね。近年ではあの上野動物園を超えるパンダの飼育数を誇るアドベンチャーワールドでも有名でしょうか。

行こうと思わなければあまり行かない県でしょうし、半島の先に位置している事もあり別の場所に行く途中で経由したり通り過ぎたことすらない、という人も珍しくないやもしれません。かくいう僕も、清姫に出会わなければ一生通る事すらなかったと思います。

ばぐ
ばぐ

高野山で精進料理食べた

どんなお話なのか?

では安珍清姫伝説とはどんなお話なのか?

あらすじは以下の通り。

傘をかぶった安珍

今から遡る事千年も前の九二八年。奥州白河(現・福島県)から安珍という大変にイケメンなお坊さんが熊野詣をしようとやってきました。途中、真砂という場所で一泊することとしました。泊まった家には清姫という少女が居り、安珍に一目惚れをします。

安珍に惚れる清姫

清姫は安珍に「わたくしと夫婦になってください」と頼みます。これに困り果てた安珍。「熊野に行った帰りにまた立ち寄ります」と約束して清姫の元を後にしました。それから数日。一向に安珍は帰ってきません。心配になった清姫は道行く人に尋ねます。

「もしもしそこの御方。熊野へ行った安珍というお坊さんを知りませんか」

「ああ、そのお坊さんならもうここを通り過ぎましたよ」

予想もしない返事に清姫は怒り心頭。帰りに寄る、と約束したではないか。周りの視線などなりふり構わず、安珍の向かったという方向へ駆けていきます。

一方の安珍。歩いていると後ろから自分の名前を呼ぶ声がする。誰ぞや、と振り返ればなんと清姫が追いかけてきます。仰天した安珍は思わず「人違いです!」と言いながら逃げ出してしまいました。

安珍に怒って追いかける清姫

これが火に油。何かの間違いであってほしいという清姫の思いは無残に打ち砕かれ、残ったのは悲しみに安珍への怒りと恨み。待てえ、と安珍を追い続ける清姫。するとだんだん清姫の口が裂け、炎を吐き、角が生えてきます。

やがて日高川という川に着きました。安珍が渡し船に乗って逃げていきます。逃すものか、と清姫も川に飛び込みました。そしてとうとう、清姫は完全な大蛇へと転身してしまいました。

蛇をかぶって追いかける清姫

日高川を渡り終えた安珍は道成寺、というお寺に逃げ込み助けを求めました。道成寺の僧侶によって釣り鐘を下ろしてもらい、安珍はその中に隠れます。

少しして大蛇と成った清姫がやってきます。隠れた安珍を見逃さず、鐘に巻き付いて尾っぽでガンガンと叩きながら火を吐いて鐘諸共安珍を焼いてしまいました。

鐘に入った安珍を地団駄踏みながら燃やす清姫

その後、清姫は日高川に身を沈めたと言います。


以上が安珍清姫伝説のあらすじです。
純粋な少女が旅の僧侶に恋をするも嘘を吐いて逃げられ、怒りと悲しみのあまり相手を焼き殺してしまう悲しき恋物語と言って良いでしょう。

ばぐ
ばぐ

これぞ恋愛

清姫の恋は千年以上経った現在でも舞台となった紀州のみならず日本中で語り継がれています。

どの時代でも愛されてきた恋物語。
それが安珍清姫伝説と言えるでしょう。
結局成立に軽く触れて粗筋で終わってしまいましたが、まずは導入という事で。

今回はここ迄。御読み頂きありがとう御座いました。
ではまた次回も……清姫の話をするとしよう。