澄姫です。
蛇が飼いたい(二回目)。白蛇がいい。目が可愛い。舌も可愛い。はぁ、好き。
生物としての蛇の話
さて、都市部で生活していると日常的に蛇を目にする事ってありません。
蛇どころか爬虫類全般目にする事がありませんね。草陰の所で十センチくらいのトカゲを見かけただけで珍しがるほどです。ペットショップの爬虫類コーナーや動物園の爬虫類館が精々といったところでしょうか。
僕としては物語では頻出するので一定の知識あれど、実物をあまり見ないので詳しいかと言われるとそうではないけれどまったく知らないかと言われればそうとも言えず、どっちつかずの生物です。
蛇は全身の3分の2が尾に当たるそうです。尻尾長い。どのあたりが境目なんでしょうね。
日本最大の蛇とされる青大将は最大で3メートルほどになるそうです。巻き尺か何かを伸ばしてみるとその大きさが分かるでしょう。
因みに世界最大とされるアナコンダは4メートルから9メートル、大きい物だと10メートルを超えるそうです。まさに桁違いですね……人なんて余裕で丸呑みなわけだ。
大蛇の清姫さんの長さを考えてみる話、今昔物語集編
では最後は大蛇と成ってしまった清姫さん。その清姫の全長は如何程なのか……を考えてみましょう。
写真や見た人の供出があるわけでは無いので雲を掴むような話……と思いきや、記述から類推するのはそこまで難しい事ではありません。
ですが、折角なので一番大きい清姫さんを探してみましょう。そっちの方が迫力あって頼もしく格好いいですからね。
実のところ、『今昔物語集』には大蛇と成った清姫の具体的に長さの記述があります。
『五尋許の毒蛇』と書かれており、つまり蛇となった清姫さんの長さはその位です。はい、尋という単位にはあまり馴染みがないですね。丁度注釈が付いているので参照してみましょう。
『一尋は成人男性が両手を広げたほどの長さ』
うーん記述は具体的なのにそもそもの単位が曖昧です。両手を横に広げた長さというのはおおよそ身長に近いと言われますから、普通に身長で考えましょう。
千年も前の成人男性の平均身長は分かりかねますので、現代で考えましょう。まあ、細かく考えるのも面倒なので170センチで考えるとすると、170×5ですので850、8メートル半ですね。
……アナコンダよりは短い、と……。
続・大蛇の清姫さんの長さを考えてみる話、道成寺縁起編
では違う記述から長さを類推してみましょう。
次に参照するのは鐘です。清姫は最後安珍を焼く際、鐘に巻きついて燃やしました。なのでどのように巻き付いていたのかを考えれば連想して計算できます。
最初に手まり唄の歌詞から。『七重に巻かれて』とあるので、清姫は鐘に七重に巻き付いていた事とします。三重という話もありますが、ここでは七重という事で。
一番大きい清姫さんを探したいのでここでは文献ごっちゃにしちゃいましょうか。鐘に巻きついた清姫さんは尾っぽで鐘をがんがんと叩き、口は竜頭(鐘の頭の部分にある吊るす装飾)を加えていました。なので、だいたい鐘八周分と考えます。
次に鐘の円周を求めねばなりません……が、残念ながら千年くらい前にとあるイケメンなお坊さんと共に燃えカスとなってしまったので、分からないですね。
一先ず検討を付けてしまいましょう。
清姫に燃やされた鐘は少なくとも男性が一人余裕で隠れられる大きさで無いといけません。
調べてみると2人で天秤棒で担げるのが半鐘、それ以上のものを梵鐘、若しくは釣鐘というそうです。なので外径が一尺八寸(約58センチ)、高さが二尺七寸(約81センチ)以上ですね。ちょっと小さい……のかな。入ってみないと分かりませんが、キリがいいので外径二尺三寸(70センチ)、高さ三尺四寸五分(103センチ)にしましょう。
大きい物にしても良いのですが、あまり大きくしすぎるとその場にいたお坊さんたちの手で鐘が持ち上げられず、そもそも安珍を隠せないという事になりかねないので、この大きさを採用します。
清姫の胴体の直径を50として、外径と合わせると中心は95センチ。それが八周分なので、95×8ですね。えーと、760センチ……さっきよりも短くなってしまった。
つまり大体8メートルくらいだったんですね、清姫さん。胴体周りが分からないのでもうちょっと大きいかもしれませんし、長さよりも大きく感じるのかもしれません。
ただ、全長に限れば大きめのアナコンダよりは短い、と……アナコンダって凄いな。アナコンダは炎吐けないので清姫ちゃんが勝つに違いない。そもそも胴回りが全然違う。
清姫の長さは縦にしたらビル三階分弱。
そんなことが分かったけれども、何処で役に立てるんでしょうね。この記事書くのに結構色々文献見たりしてて最近の記事の中では時間かかった方なんですが、色即是空諸行無常。
今回はここ迄。御読み頂きありがとう御座いました。
ではまた次回も……清姫の話をするとしよう。