澄姫です。
徳川の歴代将軍の名前は覚えるのに苦労するのにFGOのサーヴァントは簡単に覚えられる。それどころかどの敵が何のアイテムを落とすとか、どこが最高効率とかも覚えられる。
いとをかし。
将軍をシリーズ扱いするのもあれですが、シリーズ物って覚えるのが大変だったり大変じゃなかったりしますよね。好きな物だったり興味のある物だったらすぐ覚えられるのですが。
鳥取と島根、どっちがどっちとかよく分からないし四国も多分香川しかとっさには分からない。
続・道成寺物がいっぱいある話
道成寺の鐘供養に白拍子花子がやってきては鐘に恨みは数々御座ると騒ぎ立てる『道成寺物』ですが、その話をするたびにめちゃくちゃバリエーションが多いという話もしていると思います。
その理由は振り付けを軽く変えた程度でも別の題名として出しちゃうからですね。結果瞬く間に種類が増えて行ったわけです。
題名も結構ややこしい部分があって、歌舞伎としてのタイトルと浄瑠璃(歌舞伎で言えば伴奏と読み上げせりふの部分)のタイトルが別だったり、道行(道成寺物で言えば白拍子花子が道成寺にやってくるまで花道でわちゃわちゃ踊っている場面)にもまた別のタイトルがついていたりするらしい。
伝統芸能、ややこしい。僕がきちんと区別できるようになったらそんな話もしましょうかね。
道成寺物は人数を増やして見たりキャラを変えてみたりとさまざまな手法でバリエーションを増やしていきました。中には結構面白かったり明らかにふざけているものもあります。
今回はそんな話をします。道成寺物澄姫セレクションみたいなもんですねなんだそれ。
個性豊かな道成寺物
京鹿子娘道成寺
1753年に江戸の中村座で初演された道成寺物の決定版。主演は中村富十郎。
3月から6月まで120日以上も演じられ続けたほどに大人気だったらしい。元となった娘道成寺が京都の嵐座で演じられたことが(多分)京鹿子の由来。今でも歌舞伎座とかで演じられている。見に行ってみてね。
江戸鹿子男道成寺
1754年中村座初演。
京で鹿子な娘道成寺があるなら、江戸で鹿子な男道成寺があっても良いじゃないという安直かつ無理やりな道成寺物。内容はよく分からないけど歌舞伎がサブカルチャーだったとよく分かりますね。
中山道成寺
1731年中村座初演。
中山寺と言う場所に無間の鐘というものがある、と言う物語と道成寺物が融合したもの。道成寺ではなく中山寺が舞台になっているし、清姫ではなく無間の鐘に因縁のある女の人が化けて出る。
正式なタイトルは無間鐘新道成寺で別名はかつらぎ道成寺と傾城道成寺。傾城道成寺は傾城道成寺で同じタイトルの別演目がある。すごくややこしい道成寺物。名前が多すぎる。
奴道成寺
白拍子花子が清姫……ではなく狂言師だった道成寺物。前にも触れている。
今でいう性転換物の走りですね。
双面道成寺
鐘に恨みは数々御座るのは清姫ですが別件で他の男性も恨みがあったパターン。結局最後には合体融合する。さだかやかな?
これの元となったであろう『忠文道成寺』(忠文さんも怨霊。清姫の怨霊と合体しちゃう)では安珍が実は正体を隠した源頼光だったという設定。むちゃくちゃですな。
二人道成寺
一人だと飽きてきたから白拍子花子を二人に増やして見たよ!
三人道成寺
二人があるなら三人があっても良いじゃない!
四人道成寺
三人があるなら四人があっても良いじゃない!
五人道成寺
四人があるなら以下略。
男女道成寺
二人道成寺の変則版。
白拍子花子と狂言師左近がタッグを組みました。奴道成寺と娘道成寺の良いとこ取りのような演目。
十演目ちょっとしか挙げていませんが、道成寺物はこれの十倍くらいある。全部見るなんて無理ですね。名前しか残らないような演目も多いので。長くなりそうなのでいったん打ち止め。テーマごとに分けて紹介していくのもよいかもしれませんね。
まだまだ面白いものはいっぱいあるのでまたやりたいと思います。
今回はここまで。御読み頂きありがとう御座いました。
ではまた次回も……清姫の話をするとしよう。