清姫の話。【風流】鐘巻踊の話。

通せんぼするきよひー その他の芸能
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澄姫です。

名前、付けた当時は良いけれど時間が経ってくると恥ずかしくなってくるというのがありますよね。活動名変えたいなぁと思ってもその名前で結構付き合いが増えてきたから変えるに変えられないとか。

いざ改名しても、前のPNだったりとかをそのころの付き合いの人から呼ばれると懐かしさと共に気恥ずかしさが込み上げてきたり。

何が言いたいかというと僕自分で姫って名乗ってるの恥ずかしくなってきた。

FGOのサバフェス回で刑部姫が「本物のお姫様が増えてきたからprincess×2って恥ずかしくなってきた」と言ってましたが似たような心地。ブログの読者にFGOプレイヤーが多いとはいえやっていない人には分からない話。

余談余談。

もう五年近く使っているし、折角の名前なので解明する気はないのでご安心を。時たま澄人と名乗るかもしれない。a.k.aってやつですね。

清姫伝説を元にした踊歌の話。

度々ですが清姫伝説を元にした精霊踊『日高踊』の話をしていると思います。

日高踊は山城国相楽郡上狛村の精霊踊・かんこ踊でした。精霊踊は盆踊りみたいな物だったり雨乞踊みたいな物だったり。かんこ踊とはどうも説明にブレがあるのですが、太鼓などを鳴らして踊るものみたいです。

広辞苑だと三重県一帯と書かれていますが、山城国は現在の京都にあたります。まあご近所ですね。これも雨乞の要素があったようなので、実質的には同じものでしょう。

話が逸れますが、wikiなペディアによると上狛村は後に上狛町、合併して山城町となったあと他の町とまた合併して木津川市に編入され相楽郡からは離脱しているそうです。ややこしや。

更に因むと、山城国は現在の京都に当たりますが、元々は山背(やまうしろ)国と書いたのを文字を変えて格好良くしたと京都の博物館で見かけました。というのも、都が京都に遷都される以前、つまり奈良から見ると京都の辺りは山の向こう側だったからだそうで。都の辺りを指すのに山背は格好がつかない。

日高踊に関しては過去の記事を読んでいただくとして(山城国というのは初めて書いたかも)、今回はそれに続くようなお話。

清姫伝説を元にした踊歌ですが、日高踊以外にも結構いっぱいあったらしい。
てなわけで列挙していこう。

なお今回は和歌山大学が2016年に行った特別展の図録を参照しています。

地域分類名称
三重県津市美里町北長野かんこ踊鐘巻
出雲伊倉津町かんこ踊金巻踊
上田市小田村雨乞踊鐘巻踊
名張市古山草木踊鐘巻踊
滋賀県甲賀市信楽町牧太鼓踊鐘巻踊
奈良県吉野郡国栖太鼓踊鐘巻踊
京都府相楽郡和束町原山かねまきをどり
和歌山県九度山町上古沢鼓踊鐘巻踊
徳島県徳島市上八万神踊鐘巻踊

伝わる場所や踊りの分類が違うものを中心に挙げてみました。これ以外にも相当数あるみたいです。
名称が共通して「鐘巻踊」として伝わっているのが特徴ですね。

踊歌の安珍清姫

踊歌、というからには歌詞があります。

日高踊の記事では全文書いたと思いますが、ほかの踊歌でも大きな違いはありません。細かい部分が少し違って、一部川の名称が異なり日高川が太田川と読まれるものもあるようですね。

あとは清姫のいる場所が真砂だったり那智だったりしますが、おおよそ熊野。清姫の年齢が13歳であった、とされる元は日高踊に拠るものですが、ほかの踊歌でも共通しています。

主に共通しているのが

  • 安珍が清姫と初めて会ったのは清姫が三つの時であること
  • 13歳になった清姫が本気にして妻にしてくれと迫ったこと
  • 安珍が「鐘巻寺」という場所に逃げ込むということ

といった辺りですね。

当然鐘の中に隠してもらったり清姫が蛇になって燃やしたりはしますが、物語のあらすじだけでなく年齢と寺の名前が共通しているあたり、これらの踊歌は同一のルーツを持つものであろう、と考えられます。

いつ頃成立したものなのかは不明ですが、結構古く室町時代以前、道成寺縁起ができるよりも前なのではないか、という説もあります。

清姫伝説の踊歌に関する論考は少ないらしいので、いつか挑戦してみたい。

結構短めになりましたが、今回はここ迄。お読み頂きありがとう御座いました。
ではまた次回も……清姫の話をするとしよう。