澄姫です。
前の記事で喉を痛めてしまったと書きましたが、友人から「舐めると良いよ」と龍角散を勧められまして人生で初めて舐めました。凄いですね龍角散。
本をいろいろもらった話
さてはて、春に退職される先生の研究室のお掃除を手伝いをしまして、御礼代わりに「ある本で欲しい物を持っていっていいよ」と言われ、色々頂いてきました。
『世界シンボル大事典』だったり『今昔物語集(日本古典文学大系版)』だったり、他には『20世紀の紛争大事典』や『世界一美しい元素図鑑』など。
その中に『中辺路町誌』という本を拝借しまして。タイトルの通り、中辺路町の行政や文化、民俗の歴史等が書かれている本です。
はい、何が何でも欲しかった……。中辺路町というのは清姫の地元である真砂の行政区分であり、この本には清姫に関する何らかの情報があるのではないかな、と頂いてみた所幾つか記述が見られました。

研究者すぎる……
今までそれなりに調べてきた中でまだ知らないようなことも幾つか。まだまだ知らない事があって嬉しい限りです。
清姫くどきというものの話
さて、今回の主題である『清姫くどき』もその一つでした。
まずくどきの説明から。「口説き」というと男の人が女の人に向けて格好つけて言ったりするのを口説き文句とか言ったりしますが、それとは別です。
「口説き歌」または「踊口説き」と言って芸能分野にも関わる言葉なのですが、簡単に「盆踊りの歌」とお考え下さい。『中辺路町誌』にも『清姫くどき(まねき音頭)』と記述されていますからその認識で相違ないと考えています。
凄く分かり易い例えを出すと『ドラえもん音頭』がそうですね。右へおっとっと。
この清姫くどき、資料では数ページに渡るほど長いのでここでの全文引用は難しいのですが、機会があれば引用のみの記事でも投稿しようかなと思って居ます。
話の筋はおおよそ認識される清姫伝説の話と変わらないですね。安珍と清姫が出会って、恋して、逃げて、追って、焼いて、入水して。いや、結構酷い要約をした気分。
ですがところどころ違う部分もあります。『真砂伝承』同様に安珍の方から清姫に『妻にして帰ろう』と述べていたり、安珍の逃げた理由が『深淵幽邃(川の深い所)の淵で清姫が安珍の旅の無事を想い祈りを捧げていたのを見て怖くなったから逃げた』と歌っています。
どうも地元に残る伝承だと清姫は水浴を行っている事が多いですね。真砂伝承の特徴の一つと捉えてもいいかもしれません。研究が捗る、余談余談。
そんなこんなのすれ違いを経て、続きは清姫伝説とほぼ同じです。結構安珍自分勝手だな……。
この清姫くどき以外にも同じ踊り口説きに『安珍清姫』、更に熊野古道が脚光を浴びた際に中辺路町が募集した『中辺路音頭』が登場したり、昭和三十年に栗栖川村が募集していた『清姫音頭』と言うものがあります。
しかし、これらの地元に残る伝承も演じられる事が相当に減っているようです。
七月に清姫祭りというお祭りが真砂で開かれますが、そこで演じられていなければもう埋もれていくだけかもしれません……。寂しい気分。
清姫の歌に合わせて踊る盆踊り。風情がありますね。
今回はここ迄。御読み頂きありがとう御座いました。
ではまた次回も……清姫の話をするとしよう。