澄姫です。
清姫の作品紹介七回目。今回で作品紹介は一旦終わり。
さて、今回は清姫伝説の『民間伝承』について。
作品紹介と銘打っていますが作品というよりは物語の紹介と言った方が良いでしょうか。
民草の間の民間伝承
概要
まず民間伝承とはなにか?
簡単に言えば文書に記されることが無く、民間の間で伝承されてきたものです。
そのため、往々にして出典が不明である事が多く辿るのが難しい。
伝承というと語られる話が頭に思い浮かびますが、種類は伝説などの物語に限らず、風習、工芸品であったりと様々。皆さんの地元にもいろいろ伝わっていたのではないでしょうか。
口承、という単語がありますが言い伝えということですね。
区分
ちょっと続けて伝承の区分についてもお話ししましょう。
一つは口承伝承。即ち文書に記されずに伝えられる物、民間伝承の類。
もう一つは書承伝承というもの。こちらは文献によって伝えられる物ですね。
ただ、文書の普及や情報メディアの発達によって民間伝承の境界線は凄く曖昧になっています。
書承伝承、つまり清姫伝説の文書と言えばここまでの六回でお話した中では『今昔物語集』『法華験記』『道成寺縁起』が代表となります。
一方『道成寺物』は普及こそしましたが文書によって伝えられる物ではありませんので、どちらかというと「有名になり過ぎた民間伝承」とも呼べるでしょうか。また、『日高川草紙』も内容そのものは民間伝承に近い物である、とされています。
清姫伝説の詳しい区分に関しては先送り。話がそれ過ぎちゃうので、うん。
民草の間の清姫伝説
では、民間伝承の清姫伝説とはどのようなお話なのか?
複数存在するのですが、安珍と清姫二人のすれ違いによる悲恋物語として伝わるものもあれば、清姫の正体が蛇だと知った安珍が怖くなって逃げだす、という話も。昔話として一般的に流布されている清姫伝説とはちょっと違ったお話になっていますね。
また、清姫伝説の前日譚とも呼べるようなお話もいくつかあったりします。
他には聖霊踊歌であったり、手毬唄、お祭り、史跡に纏わる逸話も清姫伝説の民間伝承と言って良いでしょう。相当な数があり、しかも辿る事が困難なため全貌を掴むのは不可能といえます。
語る人と聞く人がいなくなったらそこで途絶えてしまいますからね。タイムマシンでも使えばまだまだ知らない清姫伝説があるのかもしれない……。
やべえ……
英霊になる前、ただの少女だった時の清姫の話
一つ一つ紐解いていきたいと思っていますが、やっぱり長くなるので別の機会に一つずつ。
どうも長くなってしまうし脱線も多くなってしまうのでまとめて話す、というのが難しいですね。
ある程度記事の数が多くなったらまとめでも書こうかな。
今回はここ迄。御読み頂きありがとう御座いました。
ではまた次回も……清姫の話をするとしよう。