澄姫です。
本棚に本が入らないので本棚を買おうにもそもそも本棚を置く場所がない澄姫さんです。漫画や小説合わせて数百冊にも及ぶ。困ったもんだ。毎日毎日新しい本が出版されるのがいけない。
買ってるのは僕自身ですが。
清姫に纏わる本は専用の本棚を設定してあって、そこに収めるようにしているのですが最近はそろそろ限界を迎え始めました。本棚二つあって足りなくなるとは……。清姫伝説はまだマイナーな方ですが、源氏物語や記紀、近現代の作家を扱っている研究者の方はどのように資料の保管をしているのでしょうか。
源氏物語とか部屋丸まる一つあっても足り無さそう。
いつか清姫専用部屋を作らなければいけない。
清姫伝説の本文には難しい漢字が登場する話
以前もしましたねこんな話。
難しそうな単語には極力ルビを振るようにしていますが、例えば法華験記とかあまりに頻出する単語は振れていません。

読めなかったら言ってね。
さて、今回は難しい漢字の話になりますが難読とはちょっと違います。前回は清姫伝説に纏わる単語ですが、今回は清姫伝説の本文に登場する漢字単体のお話です。
というのも、今更ながら澄姫は清姫伝説の本文テキストをやっとデータ化したのもありまして、その間に「なんだこの漢字みたことすらないぞ」って漢和辞典をめくったりネットの海に溺れたりしたのもありまして。
要は与太話回です。
因みにやり方は全部打ち込んでいったのではなく、グーグルフォトの機能を使って画像内のテキストを読み込んでいました。それでも時々読み込んでくれないのがあって四苦八苦。
今回扱うのは以下の四種。
- 法華験記
- 今昔物語集
- 元亨釈書
- 道成寺縁起
基本全集記載の本文に則っています。
何故大苦戦するほどの事態になったのかというと、大抵数百年前、下手したら千年近くも昔の文章の漢字になるため現在ではほぼ使用されていないものが登場します。更に法華験記と元亨釈書は漢文で書かれているため、日本では使われていないものまで登場する始末。
それでも一番わからないと悩んだのは日本固有の漢字である国字という始末。
澄姫は漢字の(も)専門家ではないので、間違っている可能性があります。間違っている場合は教えてください。基本的にはウィクショナリーの日本語版解説とか漢字辞典オンラインとか使っています。
前置きが長くなりましたが、それじゃ漢字の海に漕ぎ出そうか。
清姫伝説の難読漢字の話。
两
意味:二つ。対をなして二つとなる場合に用いる。同義字に「双」。
見たことがあるようなないような。
新字体になると「両」となります。
異体字って結構種類があるのでややこしい。
出两三女從者。
法華験記
纔
意味:わずか
読み:わずか・サイなど
何画なんでしょうか。異体字は「才」。簡単にしすぎて原型がない。
才、も常用外の読みで「わずか」って読むらしい。
安珍が焼けた時の「骨も残らず、わずかに灰があるばかりだった」とされる箇所で出るので、意味は見た目ほど難しくない。
骸骨不残。纔有灰塵矣
法華験記
暛
意味:明ける
読み:サ・あけ(る)・あきらか
手持ちの辞典に乗っていなかったので結構困った。「あけ(る)」の読みは清姫伝説内での用法から追記してます。知ってる漢字と知っている漢字が組み合わさると知らない漢字になる。
夜暛ヌレバ、僧其ノ家ヲ立テ、熊野参ス
今昔物語集
𩝝
意味:ねぎらう・おくる
読み:コウ・カウ
漢字そのものを打ち込まないと出てこなかった系のやつ。漢字を打ち込むために調べたいのに漢字を打ち込まないと出てこないのはどういうことなのか。
Twitterのフォロワーさんが教えてくれたので打ち込めました。
異体字に犒 糕 稿などがあるそうです。
舍主寡婦也出两三𩝝婢
元亨釈書
乆
意味:ひさしい・時間が長い・昔からの等。
読み:ひさ(しい)・キュウ・ク
象形文字みたいな形しているけど「久」の異体字。上の横線が下にズレただけなのでパッと見「久」に見えて見直すと違うんだけど意味的にはやっぱりそう。
たった三画しかないのに振り回してくれる。画数が少ないほど案外難しい。
我自遂地赴熊野宿志畜來乆
元亨釈書
𦬇
意味:菩薩
読み:ぼさつ
知ってそうで知ってない&単純なほど難しい&お前国字なのかの役満。菩薩の草冠部分を合体させた合字。なぜよりにもよってそこを合わせてしまったのか。
点が付け加えられる場合もあるそうです。ササボサツと呼ばれているそうな。
(これ環境依存がはなはだしいので表示されるかな……)
然者、吾、𦬇 を証し、
道成寺縁起
キリがないので今回は6文字。特に漢文の元亨釈書・法華験記は出そうと思えば大量に出てきます。漢字の本場中国では一万を超える漢字を使いこなすそうですから驚き。日本の常用漢字なんてたかだか2000ちょっとしかありませんからね……
今回はここ迄。お読み頂きありがとう御座いました。
ではまた次回も……清姫の話をするとしよう。
実は引用部分に清姫も安珍も出てきてる。