清姫の話。【峠の杉】捻木の杉の話。

ぬいぐるみをもつ清姫清姫の話
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澄姫です。

前回は自分の自業自得というか憂慮不足というか短絡思考というか刹那主義というか、その場その場で旅をした結果の悲惨な顛末をあらわにしました。

皆さんは台風が向かってくるという予報があったら旅の予定などは今一度見直すといいでしょう。台風の中旅ができるなんてそうそうないことなので、多分僕は迷わず旅に出ます。

いつかそれが死出の旅路になってしまいそうな澄姫さんである。

さてここ最近清姫とはあんまり関係のない小説作品だの同姓同名のキヨヒメさんだの聖地に行ったら帰ってこられなくなりかけただのの話ばかりで、本ブログのメインヒロインたる清姫が少々おざなりになっていました。

いい加減焼かれそうなので清姫伝説のことを話すとしましょう。ではいつもの通り。

清姫の話をするとしよう。

潮見峠の捻木の杉

前回の紀行文もどきで、旅の二日目に清姫の墓からわざわざ山を越えて『捻木ねじきの杉』と言う杉の木を見に行っていました。基本的に僕の行動原理は清姫に回帰するというか、清姫目的の和歌山の旅ですからね。往復五時間も歩くってのも清姫に基づくが故。

捻木の杉という杉は潮見峠という場所に在ります

この潮見峠、古くは熊野参詣に向かう要所だったようで、いくつもあるルートのうちのひとつだったようです。まったくの無関係の道ではないようですね。一説によると安珍もこの潮見峠を越えてきたのだというものもあります

具体的な距離を申しますと(前回の記事でも触れているけど)清姫のお墓から捻木の杉までは直線で3キロ程度

しかし実際に行こうとすると清姫のお墓から一願寺に向かう道をそのまま登り続け、山のほぼ反対側にある集落を抜けて再び峠道の方へ行かねばなりません。大体7キロくらい。倍以上ですね。しかも平坦な道はほとんどないです。

実は僕は行った際に道中相当不安でした。何せ、一願寺を通り過ぎる道はそれなりに道幅も広く平和なのですが、途中から『軽自動車以下のみ通行可能』という注意書きが添えられます。片側急斜面でガードレールはなく、足を踏み外したら滑落同然。

一応道はアスファルトなのですが、木の枝やら木葉やらが落ちていて人の往来があるとは決して言えません。(途中でたまたま出会った唯一の方が農家の方らしく、恐らくそういう人が利用しているのみと思われます)

実際捻木の杉に向かうとして一番早いのはJR朝来駅の付近から杉近くの集落へ車で行くことだと思います。ただし、公共交通機関はないのでレンタカーや自家用車の類がないといけませんが……。

無理そうなら素直に歩きましょう。被験者はここにいます。歩き続けていれば到着することは保証しましょう。

潮見峠の捻木の杉の清姫伝説

捻木の杉はその名の通り、木の枝がめちゃくちゃにねじれている奇妙な杉です。

まさにこのねじれこそが清姫にまつわるもの。

民間伝承のひとつによると、安珍がすでに通り過ぎた後だ、と聞いた清姫はこの捻木の杉へとやってきて杉に登り、その上から去っていく安珍の後姿を見たと言われています。

そして、その時の清姫の強烈な怒りや悲しみによって枝が捻れてしまったのだとか。この後の話はいくつかあります。

1つは、放心状態の清姫を清姫の家の者が発見して連れて帰るというもの(後に富田川へ入水)。
1つは、そのまま富田川に身を投げるというもの。
1つは、そのまま安珍を追いかけ焼き殺してしまうというもの。

案内板やら民間伝承やら絵本やらで派生をしていますが、その中でさらに僕個人的にとても好きで悲しいお話を。

和歌山県は非常に海と山が近いことで有名です。潮見峠も、見晴らしの良い所へ行けば太平洋が望めます。

清姫は真砂という山間の集落に生まれ、育ちました。当然、海など見た事はなかったのです。その海をはじめてみたのは、逃げる安珍を探して捻木の杉に登った時である、とも。

今の僕らが清姫の住んでいた土地から捻木の杉へ行くのにも片道2時間以上歩きます。舗装された道もなければ案内板もない当時、少女がたどり着くのは大変なことだったでしょう。それを突き動かしたのは、最後まで信じたかった気持ちなのか否か。

潮見峠の捻木の杉、是非一度行ってみてはいかがでしょうか。

澄姫
澄姫

ちなみに、樹齢は数百年程度だと推定されるそうです。……あれぇ?

今回は此処迄。御読み頂き有難う御座いました。
では次回も……清姫の話をするとしよう。