澄姫です。
今までクトゥルフ神話TRPGしかやってこなかったので他のシステムも触れてみたいなと色々ルールブックを買い漁っている今日。気軽にホイホイ買える値段ではない気もするのですが、出会ってしまったが吉日。カートに放り込んでレジにレッツラゴーと相成るわけです。
今一番欲しいのはパラノイア。
CoCに関しては自作シナリオをやることが多いです。KP経験が多い訳ではないですが、多分PLとどっこいどっこいくらいの回数かも。ファンブラーなのであんまりダイスは振りたくない。開幕ファンブル率が異常に高いです。クリティカルの倍くらいファンブルが出る。
余談余談。
国立能楽堂へ行った話
歌舞伎や人形浄瑠璃の勃興が近世(大体江戸時代)なのに対し、能楽の歴史は古い。猿楽とか呼ばれ、具体的に「能楽」としての形が定まる前の時期を含めると平安期よりも遡れます。
狂言とかいろいろありますが、総じて「能楽」と呼ばれることになったのは明治以降だとか。
僕も詳しい訳ではないですが、能楽をあんまりよく知らない人でも教科書で観阿弥・世阿弥親子の名前は目にして居ることと思います。漢字の奇抜さと語呂の良さから印象深いですね。
特に世阿弥。日本史の教科書で名前を憶えやすいランキング上位に居そう。
観阿弥・世阿弥親子は中世の人物になり、この親子によって現在まで続く能楽の形がほぼほぼ定まったそうです。以降6~700年も脈々と受け継がれてきた伝統芸能の形式を定めたとなるとすごいものですね。700年も前と変わらない文化、そうそう無さそう。
さて話は少し変わりまして、能楽はただステージがあればどこでも演じられるわけではなく、ちょっと変わった形の専用舞台が必要になります。本舞台という四角いステージと、本舞台に続く橋掛かりという廊下みたいなもの。他にも鼓や笛、後見人がいる場所だったりと名称が様々です。
詳しく知りたい人はこちらで見てみると良いですわよ。
舞台に都合のある以上、能楽を演じられる場所が限られる。即ち観ることが出来る場所も限られる。
日本で一番有名な能楽の舞台となれば国立能楽堂。東京は千駄ヶ谷にありまして、線路沿いの大通りからちょっとわき道に入ったところになります。
結構風情のある建物。飲食も可能なほか、土産物店や展示室、僕が行った時には演目に関係する書籍も取り扱っていました。
さて訪れるとなれば当然能の観劇になる。僕が見に行く演目となればそりゃあ例のアレになるわけで。
能楽『道成寺』を観た話
令和3年2月23日。
代々木果迢会という団体が主催となって特別公演が行われました。元々は前年の3月に行う予定だったのですが巷でコロなウイルスさんが流行り始めた時期だったので延期となっていました。
その代替公演ですね。
演目は『百萬』という舞囃子と能楽で『安宅』『道成寺』、狂言は『隠狸』でした。
『安宅』は兄、源頼朝との不和をきっかけに逃げることとなった義経と弁慶がどうにかして関所を抜けようとする話。勧進帳が出て来るやつです。
『隠狸』は狸を獲っては売りに出ていた太郎冠者が主人からそのことを隠そうと必死になる話。謂わばコント劇です。
そして『道成寺』。
清姫伝説から時は流れて幾星霜、新しく鐘を鋳造したので、その鐘供養を行おうという場に白拍子がやってきて……という流れのお話。所謂『道成寺物』と同じですね。話の筋自体は歌舞伎の道成寺物とほとんど変わりません。
歌舞伎が煌びやかなのに対して能楽の『道成寺』は鼓の音に合わせた舞こそあれ、無駄な振り付けを省いていっている印象があるので冗長に感じるかもしれません。僕も正直ちょっと退屈になる場面はありました。
けれども退屈してきた所を見計らったかのように場の空気を一変させて激しい舞になったかと思えば一気に鐘入りまで。そして能力たちによる祓いと、本成面をつけた白拍子の退散。雰囲気の変わりようは圧巻の一言で、意識をグイっと持っていかれました。歌舞伎の道成寺が全体を通して楽しめるのに対し、能楽道成寺は緩急をつけて急転直下をいったところ。
鐘が落ちた後に小僧二人がどちらが報告に行くかでくだらない問答をしている辺りは歌舞伎の聞いたか坊主を彷彿とさせました。舞台上の道成寺、変な坊主ばっかり。同じ粗筋であるはずなのに、演出もこちらが抱く感想も別のものになっているので是非とも歌舞伎と能楽、二度楽しんでほしい。
なお能舞台の柱に設置されている輪っかと天井に設置されている滑車は『道成寺』の鐘入りのためだけにあるそうです。

すごい。
因みに能楽ですが、歌舞伎は同じ演目を初日から千秋楽まで二十日ほどあるところ、能楽の公演は一日のみです。連続公演は行われません。即ち争奪戦が激しくなるのでご注意。一幕席などの扱いもありません。
代わりに歌舞伎とは違って学割が効いたりするので、学生さんはお勧めです。能楽に限らず学生特権はどんどん使いましょう。
上演は全ての演目をまとめて13時開演、18時過ぎ終演の予定となっていましたが、ちょっとばかしズレ込んで結局19時前に終わりました。その間に休憩は一回だったので、手洗いにはいっておくのが吉。
澄姫は前々から一冊は欲しいなと思っていた能面の本も買ってほくほく。夜暗い部屋で表紙が目に入るとちょっと怖いですが。歌舞伎・人形浄瑠璃・能楽と三つの芸能で清姫伝説に触れることが出来たので、近いうちにそれぞれ個々の感想をまとめてみようかなとも思う所存。
今回はここ迄。お読み頂きありがとう御座いました。
ではまた次回も……清姫の話をするとしよう。