澄姫です。
前回は前世の話をしました。なので今回は来世の話を……とはいかず現世の話です。
怪しげな言葉が並んでいますがご安心を、清姫の話しか基本的にはしません。
清姫が生まれた時のお話
少し前に清姫の地元、真砂に残る伝承についてお話した際、清姫の出生に関しての話をしました。
CHECK【清姫之地元】真砂について
今回はそんな清姫の出生に関しての伝承についてもうちょっと細かく触れたいと思います。
といっても、話す内容と言えるほどの内容が無いので短くなりますが。
先ずは清姫の出生伝承について。僕は【清姫伝説前日譚】と呼んでいたりします。真砂伝承同様仮称なので正式な名称ではありませんけどね。
以下あらすじです。
昔、真砂に住む庄司の清重は妻に先立たれ、息子の清次と二人で暮らしていた。
とある日、清重は畦道で黒蛇に襲われそうになっている白蛇を見かけ、可哀想だと助けてやった。
数日たったある日、白装束を身に纏った女遍路が清重の元に一晩泊めてくれと乞うてきた。清重は了承し、翌日以降も女遍路は清重の家に留まり二人は夫婦となる。
この清重と女遍路の間に生まれた赤子が後の清姫である。
清姫伝説前日譚の意味とか
ツルの恩返しなど、生き物が恩返しの為に人間の姿を取る事は御伽話の典型です。
このお話もそうですね。

そしてこのような話は異類婚姻譚の異類女房に属する話です。食わず女房とか、安倍晴明と信太妻のお話とか。別段物珍しい物語ではありません。
また子孫が残った場合、その子孫(この場合は清姫)がまた別の伝説や物語の主人公となるというのも普遍的と言えば普遍的。一種の権威付けとして用いられる事もあります。
清姫さんはただの女の子なので権威とは無関係。
むしろ蛇になってしまった由来を与える物語といった感じです。後に安珍は障子に映った清姫の影が蛇だったことから、清姫が蛇の化身であると分かり怯えて逃げた話もありますので、そこにも繋がりますね。
清姫の出生伝承『清姫伝説前日譚』は男が蛇を助け娶り、その娘が清姫だったという至極単純で短い物語です。
この物語単体ではあまりお話としての効果を持ちません。しかしながら、清姫伝説に繋がる事によって「清姫の正体とはなんなのか?」「安珍が逃げだしたのは何故か?」「清姫の家族関係は?」と色々な視点・観点のお話に繋げていく事が出来ます。
この前日譚によって、清姫伝説に一層の彩が与えられていると言っても過言ではないような気がします。

キャラ背景はフカミガマス……
ね、清姫伝説面白いでしょ?
今回はここ迄。御読み頂きありがとう御座いました。
ではまた次回も……清姫の話をするとしよう。