澄姫です。
遅ればせながらC99有難う御座いました及びあけましておめでとうございます鬼は外。
色々ドタバタしていてご挨拶遅れました。本年も我々清廉紀州流域宜しくお願い致します。
寒いですね。変温動物は寒さにも弱いので、爬虫類をお買いの皆様は大変な頃合いと存じます。
変温動物でなくとも寒さに弱い僕は湯たんぽとほうじ茶が手放せない。
清姫は属性が多い話。
今年も清姫の話をするとしよう、という事で見出しの通りですね。
清姫は属性が多いというお話で御座います。
あくまでこれは物語表現の点に集約するお話なのですが、そのキャラクターの持つ属性というものは一定以上の意味を内包します。例えば男性ならば力強さだったり、女性だったら包容力だったり。そこへ気弱な男性や勝気な女性を登場させるのは表現上の効果として反映されるわけですね。
これは人物像以外にも色だとか土地だとか職業だとか、あらゆる属性において「それっぽさ」が植え付けられています。結構不思議なもので、「それっぽさ」の積み重ねで物語は構築される節がありますね。インドだったら象の頭を持った種族が居てもおかしくないとか、北欧なら女性戦士が台頭して居ても良いとか。
この辺の話を続けると止まらないので清姫の方に話を戻しましょうか。
清姫も当然そのキャラクターを構成する属性の集合体です。清姫のみならず安珍も、清姫の家にいる侍女も、安珍と一緒にいたはずの老僧も属性の集合体であり、その属性によって清姫伝説内での役割やそこから派生した印象などがあります。
で、今回は清姫に絞って話そうかと思います。安珍もなのですが清姫もまた属性が多い。
因みにここで捕捉ですが、属性を持っているからと言って、物語の中でその属性が必ずしも反映されたり投影されるとは限りません。ややこしいですね。
女の子な清姫
さて清姫の属性。
まず女であるという事ですね。どんな物語でもその登場人物が人間であるならば必ずまとわりついてきます。よっぽど特殊な条件が揃わない限りのがれることは不可能です。
清姫の場合は物語の変遷によって年齢が変動するので、女の子からだいたい三十路辺りまではカバー範囲でしょうか。
ここでの清姫は安珍に対して愛情を向ける謂わば「男」の異性である「女」とその感情がフューチャーされていると思います。男と女が居たらそれだけで物語が生まれるのはある種の必然。そこから逃れようとする過程すら物語になってしまいますからね。
もっと細かくいうと、無垢な女の子の清姫(少女清姫)と安珍よりも年上で寡婦の扱いもされる清姫(悪女清姫)で内包する女としての性質が変わります。魔性を持つのか無垢を持つのかって話ですね。女の子が年上に恋をする恋愛話と、女性が年下の男の子に恋をする恋愛話では若干展開や流れも変わるでしょうから。
蛇になった清姫
蛇の話は前しましたね。シンボルとしての蛇は凄い量の意味を持ってしまっています。
その蛇になった清姫も当然多くの意味を持たざるを得ません。ただし、清姫伝説の中では「多くある蛇のイメージ」のうち、全てではなく幾つかのみが機能します。例えばそれは執念深さでしょう。清姫ずっと追いかけましたものね。あとは転身過程に川が含まれるのは水神としての蛇のイメージもあるかもしれません。
まあその割には炎吐いて鐘を燃やすわけですが。蛇の話はすると長くなるので割愛。
鐘を燃やした清姫
鐘を燃やした清姫。燃やしましたね。
だから何かというと、鉄とそれを加工する炎のイメージも清姫には附与されるわけです。もう何でもありだな。蛇の時点で水と雷のイメージも持ててしまうというのに、タイプが三つある新手のポケモン状態ですね。
安珍の方は鐘、もとい鉄属性はつかないと思います。というのは、安珍が鐘に籠ったときに重要なのは「鐘」ではなく「籠った」という行為の方です。
ですが清姫はその「籠る」という行為に対して「炎」を以て「鉄」を屈服させる手段をとりました。
焔と踏鞴。炎と鉄はある種切っても切れない、安珍と清姫のようなものです。
なので、清姫は炎属性を持つ以上、こうかはばつぐんだ的な感じにはがね属性とも紐づけられるわけですね。
聖地に住む清姫
ここまでとはズレた内容の清姫の話をしましょう。
清姫というよりは清姫の住んでいる場所が問題となります。
清姫が住まうのは日本国内随一の神域、熊野。……からちょっと外れた場所です。熊野への通り道ではありますが。
しかしそこには「神域に触れようとする者達」が現れます。そして神域に触れた者たちは総じて神性を持ち、関わるものになります。安珍も一大道場であった熊野への参詣を志していたわけで、【特殊な空間への道中に住まうもの】としての性質が清姫にはあるんですね。
それは神域を目指す者への障害として、立ち塞がっているのです。
細かく述べていけば長く話せるのですが、ざっと取り上げればこんな感じかな。
次回辺りは今回述べた清姫の属性が実際の清姫伝説でどう機能しているかの話が出来ればよいですね。
今回はここ迄。お読みいただき有難う御座いました。
ではまた次回も……清姫の話をするとしよう。