清姫の話。【難読】読めない清姫伝説のあれこれ。

手を挙げるきよひー 清姫の話
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澄姫です。

記事を書くときに単語の用法とかにも気を遣わねばならないので、手元には常に広辞苑があったりします。他にもノートだったり今昔物語集だったり。

しかし僕の使っている広辞苑、いかんせん古い。第四版なのでソ連が崩壊していません。三十年弱で言葉の用法がそこまで劇的に変わっているとは思いませんが、時々見当たらなかったりもするので新しいものが欲しい。

古語辞典とか四字熟語辞典とかだともう新しい言葉が生まれたりはしないので一冊買っておけば安心ですね。

なお、広辞苑のみならず自室の机の上は辞書や辞典の類で埋まっています。変わり種だとギリシャ語辞典とか世界紛争大事典とか樹木の辞典とか。
たいていは貰い物。

清姫伝説にまつわる難読な単語の話。

クイズ番組の定番ジャンル、難読漢字

圃とか旦とかを三文字で読ませるとか、常用ではない読ませ方を問う問題をよく見ます。あとは動植物や地名などの固有名詞などですね。不思議な読み方が多い。

和歌山県だと朝来とか。読みはあっそ。ダジャレになりそう。

清姫伝説にも読みにくい単語が結構あります。ノリでそのまま書くと読めなくてフリガナを振れと怒られる。

澄姫
澄姫

許して。

ばぐ
ばぐ

ゆるさん……

今回はそんな読めそうで読めないかもしれない清姫伝説の単語の話。

難読清姫伝説、初級編

結構読みやすいけど初見だとちょっと悩むかもしれなくもない清姫伝説たち。

安珍

【あんちん】

皆さんご存知清姫伝説の主人公。読みは今更ながらな気もする。
決してやすちんではない。あんめずらでもない。そんなトリッキーな読み方を試みてはいけない。

賢学

【けんがく】

皆さんご存知クズ。ではない。日高川草紙の主人公。
かしこ・まなぶさんではない。無理矢理訓読みしなくてもいいのよ。PCやスマートフォンで一発変換が出来ない。安珍系列の人物って難読初級編っぽさがある。

参詣

【さんけい】

安珍が熊野でやろうとしたこと。よく「さんし」って読まれる事に定評がある。

難読清姫伝説、中級編

熟字訓とかが割り込んでくるから。ちょっと難しくなる。

鐘巻

【かねまき】

鐘を巻いている。だから鐘巻。
道成寺のある辺りの昔の地名も鐘巻。清姫伝説の影響が強すぎる。

真砂

【まなご】

千葉に同じ地名があるけどあっちは「まさご」。同じ話を何度もしている気がする代表例。

捻木の杉

【ねじきのすぎ】

捻れた木の杉。木&杉。樹木推しってことは分かった。
清姫が登って捻れちゃった木。燃えて炭にならなかっただけ鐘よりはまし。

難読清姫伝説、上級編

だいぶ読みにくい。フリガナが欲しいですね。はい。

清姫袖摺岩

【きよひめそですりいわ】

フリガナ付けとけって怒られた。
摺る、という漢字を確かにあまり目にしない。袖を摺っただけで岩が残る女、清姫。

元亨釈書

【げんこうしゃくしょ】

元亨は元号の一つ。十四世紀の元号だった。元亨の時に出来た仏教の歴史書だから元亨釈書。結構安直な名づけ。

法華験記

【ほっけげんき】

法華、までは読めてもその後でつまづく。言われてみればケンとキ。音便が付いてゲンキ。
正式名称は「大日本国法華経験記」若しくは「本朝法華験記」

法華の経験記ではなく法華経の験記。これも一発で変換があんまりできない。

男女道成寺

【めおとどうじょうじ】

奴道成寺と娘道成寺のハイブリッド。男と女でめおと。たしかに。
僕こと澄姫お気に入りの道成寺物。

京鹿子娘道成寺

【きょうがのこむすめどうじょうじ】

音便の関係で濁音が入る。道成寺物の決定版。
言うほど難読かって言われると分からないけど漢字がいっぱいだと難しそうですよね。

難読清姫伝説、地獄編

基本的に読めない。無茶苦茶な読ませ方をしてくる。熟字訓もびっくり。たいていは歌舞伎が悪い。

補足すると縁起担ぎもあって歌舞伎のタイトルは字数が奇数にされています。なのでまともじゃない読み方が出てくるのであった。原則言葉遊びです。難読と言うにはちょっと違う。

道成寺二人鐘入

【どうじょうじまたもかねいり】

「ににんかねいり」じゃない。なお二人道成寺はににんどうじょうじ。
またもってなにがまたもなんだろうかね。鐘だけに。

両花道振袖

【みちゆきついのふりそで】

レ点とか一二点が必要な読み方。漢文かな。これは上記の『道成寺二人鐘入』の浄瑠璃。
浄瑠璃と言うのは簡単に言うと歌舞伎の伴奏と語りの部分。あっちはあっちで別作品で、実際に役者が躍ると歌舞伎になって別のタイトルになる。ややこしや。

花対俄曲撞

【はなのほかにわかのきょくつき】

冷静になればそう読めなくもない。地獄の中の蜘蛛の糸。
もっと冷静になると読めるわけがない。どこからほかが出てきたんだろう。
普通に俄も難読の部類。

曳各鐘贔屓

【ひけやてんでにつりがねびいき】

今までのものが優しく思えるくらい訳が分からない。簡単な見た目の漢字の方が凶悪なのは難読あるある。贔屓もそれなりに難しい。これだけは読めると思った鐘も読めてない。釣るして。

乱拍子醜娘振袖

【らんびょうしおにもじゅうはち】

一個上のも酷かったけどこれは難読という域を超えている。最初の三文字はそのまま読めばいいからバランスが取れていますねそんなことないね。

醜娘=そのまんま鬼。振袖=着る年頃=じゅうはちと言った感じでしょうか。

道成寺要素が無い気がする。内容も不明だけれど、恐らくおふざけで作ったようなもの、とのこと。

もっと調べて行けば色々出てくると思います。続編をやれたらやるけど、そもそもフリガナが振ってなくて僕が読めない事態が来る場合も否めない。

何の役にも立たないので地獄編は覚えなくてよいです。

ばぐ
ばぐ

今までに打ったルビがあってるのかどうか心配になっている……

今回はここ迄。御読み頂きありがとう御座いました。
ではまた次回も……清姫の話をするとしよう。